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解体工事でコンクリートガラを地中に埋めるのは違法?発見時の対応と適正処分

解体工事でコンクリートガラを地中に埋めるのは違法?発見時の対応と適正処分

解体で発生した不要なコンクリートガラを、処分目的で敷地内に埋める・残す行為は、廃棄物処理法上の不適正処理や不法投棄に該当する可能性があります。「自分の土地だから埋めてもよい」とは限りません。

ただし、適正に製造・管理された再生砕石を、設計に従って路盤材などに使うケースとは区別が必要です。また、地中で見つかっただけで直ちに違法、土地所有者に必ず責任があるとも断定できません。

この記事の法令の説明は、2026年10月5日時点の条文(e-Gov法令検索で廃棄物処理法・同法施行令・建設リサイクル法を確認)に基づいています。

地中から見つかったコンクリートガラの位置や深さをメジャーと写真で記録する様子
発見時は、全量を移動する前に遠景・近景・深さ・位置を記録し、契約資料も保存します。
地中に残ったコンクリートガラが新築基礎や杭、給排水管と干渉する断面図
表面が整地されていても、地中のガラが基礎・杭・配管工事を妨げることがあります。
異物が混じった未処理のコンクリートガラと、破砕・選別された再生砕石の比較
再生砕石を使う場合は、材料名・規格・使用場所・施工方法を確認します。

発見した場合は、次の順に対応してください。

  1. 掘り返す前後の状態、場所、量を撮影する
  2. 見積書・契約書・工事写真を確認する
  3. 解体業者へ書面で撤去方針と費用負担の説明を求める
  4. 不法投棄が疑われる場合は自治体へ相談する
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コンクリートガラとは

コンクリートガラとは、建物の基礎や土間、塀、舗装などを解体した際に発生するコンクリート片です。工作物の除去に伴うコンクリート片は、一般に産業廃棄物の「がれき類」として扱われます。

「コンクリートガラ」は現場での呼び方で、法令にこの名称はありません。廃棄物処理法では、施行令第2条第9号の「工作物の新築、改築又は除去に伴つて生じたコンクリートの破片その他これに類する不要物」として産業廃棄物に当たります。建設リサイクル法では、特定建設資材であるコンクリートが廃棄物になったもの(特定建設資材廃棄物)として扱われ、対象建設工事ではコンクリート塊などの再資源化が義務付けられています(同法第16条)。

なお、次の二つは同じではありません。

  • 契約で撤去対象から外した既存基礎を残す
  • 破砕したコンクリートガラを土中へ埋めて処分する

基礎を意図的に残す場合の条件やリスクは、建物解体で基礎は残せる?をご覧ください。

コンクリートガラを地中に埋めるのは違法?

廃棄物処理法では、みだりに廃棄物を捨てる行為が禁止されています。そのため、解体廃材であるコンクリートガラを搬出せず、処分費を避ける目的などで地中へ埋める行為は、不法投棄に該当し得ます。廃棄物処理法第16条は「何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない」と定めており、違反した場合は5年以下の拘禁刑若しくは1,000万円以下の罰金、またはその両方の対象となります(同法第25条)。

判断では、主に次の事情が確認されます。

  • コンクリート片が廃棄物に当たるか
  • 埋設・残置した目的
  • 再生資材としての品質や利用実態
  • 施工方法や契約内容
  • 誰が、いつ埋めたのか
  • 他の廃材や有害物質が混入していないか

違法性や責任は個別事情で決まるため、発見者だけで判断せず、土地所在地の自治体に相談してください。

再生砕石の使用は同じではない

中間処理施設で適切に破砕・選別され、品質管理された再生砕石を、路盤材などとして設計どおり利用する場合があります。

これは、解体現場で出た未処理のガラを穴へ投げ込み、土をかぶせる行為とは異なります。見積書では、埋め戻し材の商品・規格、使用場所、施工厚、転圧方法を確認しましょう。

実務ポイント1
「再生材を使います」という説明だけで済ませず、材料名・規格・使用箇所を見積書や施工計画に記載してもらいましょう。

地中残置が招くリスク

コンクリートガラが地中に残っていると、次の問題につながります。

  • 新築基礎や地盤改良と干渉する
  • 杭打ちや給排水管工事を妨げる
  • 掘削時に追加撤去が必要になる
  • 埋め戻しが不均一になり、地盤へ影響する可能性がある
  • 土地売買時の説明や契約上の争いにつながる
  • 木くず、金属、廃プラスチックなどが混入している可能性がある

表面がきれいに整地されていても、地中まで確認できているとは限りません。整地の範囲や仕上げについては、解体後の整地とは?も参考にしてください。

関係する主な制度

廃棄物処理法

解体で生じたコンクリートガラの保管、委託、収集運搬、処分などに関係する制度です。

建設工事に伴って生じる廃棄物は、原則として、注文者から直接工事を請け負った元請業者が排出事業者となります(廃棄物処理法第21条の3)。排出事業者は廃棄物を適正に処理し、自ら処理しない場合は、必要な許可を持つ事業者へ委託する必要があります。運搬や処分を委託する場合は、産業廃棄物管理票(マニフェスト)の交付も必要です(同法第12条の3)。実際の扱いは契約形態や処理方法によって異なります。

建設リサイクル法

一定規模以上の対象建設工事について、コンクリートなどの分別解体と再資源化等を求める制度です。対象建設工事の受注者は、分別解体等で生じたコンクリート塊などの特定建設資材廃棄物を再資源化しなければなりません(同法第16条)。

建築物の解体では、床面積の合計が80㎡以上の場合が届出対象基準の一つで、原則として工事着手の7日前までに発注者または自主施工者が届け出ます。これは、アスベスト事前調査の要否とは別の基準です。

コンクリートガラを適正に処分する流れ

一般的には、次のように処理します。

  1. コンクリート、木くず、金属などを分別する
  2. 積込み、飛散防止などを行う
  3. 必要な許可を持つ収集運搬業者が搬出する
  4. 中間処理施設で破砕・選別する
  5. 再生砕石などへ再資源化する
  6. 再資源化できないものを許可施設で最終処分する

「整地のための埋め戻し」と「廃材を地中へ埋めること」は別です。

契約前に解体業者へ確認すること

1.解体工事に必要な許可・登録

解体工事業登録、建設業許可、産業廃棄物処理業の許可は、それぞれ別制度です。工事金額、請負形態、運搬・処分を誰が行うかによって確認対象が変わります。

業者の許可確認については、解体工事に建設業許可は必要?で解説しています。

2.収集運搬・処分を行う事業者

解体業者が自社で運搬・処分するとは限りません。次を確認しましょう。

  • 誰が収集運搬するか
  • どの処理施設へ搬入するか
  • 許可品目に「がれき類」が含まれるか
  • 許可区域や有効期間に問題がないか

3.処分先と処理方法

「適正に処理します」だけでなく、予定する処分先と再資源化・処分方法を質問します。契約後に処分先が変わる場合の報告方法も確認しておくと安心です。

4.処理完了の確認方法

マニフェストは、産業廃棄物の処理過程を管理する仕組みです。ただし、施主が必ず原本を受け取れるとは限りません。

契約時に、処理完了を次のどの資料で確認できるか聞いてください。

  • マニフェストに関する報告・写し
  • 搬入先や処理完了が分かる資料
  • 廃棄物の搬出・積込み写真
  • 建設リサイクル法に基づく完了報告

実務ポイント2
処分先、確認資料、提出時期を口頭だけでなく契約書や特記事項に残しましょう。

見積書で確認する費用項目

「解体工事一式」だけでは、コンクリートガラの処理範囲を確認できません。

費目 確認内容
分別・積込み費 現場での分別や重機作業を含むか
収集運搬費 車両台数、小運搬、処理施設までの運搬
がれき類処分費 数量、単位、処分先
基礎・土間撤去費 厚み、鉄筋、撤去範囲
地中障害物撤去費 追加料金になる条件と承認手順
残土処分費 ガラと土の分別、搬出量
埋め戻し・整地費 使用材料、転圧、仕上げ方法

費用は、地域、数量、処分先、搬出距離、重機進入、コンクリートの鉄筋・土の混入状況などで変動します。全国一律の金額では比較できません。

実務ポイント3
地中障害物を発見した場合は、撤去前に「写真・数量・追加見積もり」を提示し、施主の承認後に作業する条件を契約へ入れてください。

工事中にコンクリートガラが見つかった場合

古いガラが工事中に出た場合は、次の手順で対応します。

  1. 位置、深さ、範囲、量を撮影する
  2. 他の廃材や臭い、変色の有無を確認する
  3. 業者から発見報告と追加見積もりを受ける
  4. 契約上の地中障害物の扱いを確認する
  5. 処分方法と処分先を確認する
  6. 合意内容を書面に残してから撤去する

追加費用の負担は、契約範囲、事前説明、埋設原因、予見可能性などによって変わります。

工事完了後にガラが見つかった場合

解体後の土地から発見した場合は、すぐに全量を掘り出したり移動したりせず、証拠を残します。

保存するもの

  • 遠景と近景の写真・動画
  • 発見位置を記した配置図
  • 深さや大きさが分かる計測写真
  • 解体前後の写真
  • 見積書、契約書、請求書
  • 工程写真、完了報告書
  • 業者とのメールやメッセージ

そのうえで、業者に次の説明を求めましょう。

  • 今回の解体で発生したものか
  • 撤去対象に含まれていたか
  • 施工時に地中へ入れた事実があるか
  • 誰が、どの方法で撤去するか
  • 費用を誰が負担する考えか
  • 処理完了をどう確認するか

電話だけで済ませず、メールなど記録が残る方法で連絡してください。

土地売買・建築前に見つかった場合

売買前・引渡し後

次の資料を確認します。

  • 売買契約書
  • 重要事項説明書
  • 物件状況等報告書
  • 地中埋設物に関する告知
  • 契約不適合責任の条項
  • 過去の解体・造成記録

撤去費用を売主、買主、過去の解体業者の誰が負担するかは、契約内容、説明状況、原因、発見時期などで変わります。早期に宅地建物取引士や弁護士へ相談してください。

新築前

建築会社や設計者へ発見位置を伝え、次を確認します。

  • 新設基礎や配管との干渉
  • 試掘など追加調査の範囲
  • 撤去深さと埋め戻し方法
  • 地盤調査を行う時期
  • 追加工事の見積条件

ガラを撤去した後の埋め戻し・転圧だけで、新築に必要な地盤性能が保証されるわけではありません。

実務ポイント4
撤去前に建築会社へ連絡してください。先に埋め戻すと、埋設範囲や地盤への影響を確認しにくくなります。

不法投棄が疑われる場合の相談先

次のような場合は、土地所在地の市区町村または都道府県の廃棄物・産業廃棄物担当部署へ相談します。

  • 解体直後に大量のガラが見つかった
  • 木くず、廃プラスチック、石膏ボードなども混じっている
  • 業者が処分先や処理記録を説明しない
  • 撤去や現場確認を拒否する
  • 油臭、変色、液体の流出がある
  • 石綿含有建材の疑いがある

相談時は、写真、所在地、発見日時、契約書、業者名、これまでの連絡記録を準備します。なお、環境省の不法投棄ホットラインは、投棄量が5,000トンを超える大規模な事案や、廃棄物の河川への流出などただちに対応が必要な緊急の事案が対象です。住宅の解体跡で見つかったような小規模な事案は、自治体の窓口へ連絡してください。

危険物や石綿が疑われる場合は、破砕や掘削を続けず、現場へ立ち入らないようにしてください。

まとめ

解体で生じたコンクリートガラを処分目的で地中へ埋める行為は、廃棄物処理法上の問題となり得ます。一方、品質管理された再生砕石の適正利用や、契約に基づく既存基礎の残置とは分けて考える必要があります。

契約前は、撤去範囲、処分先、運搬・処分費、処理完了の確認方法を明文化しましょう。発見後は、現場を動かす前に写真と契約資料を保存し、業者へ書面で説明を求めることが重要です。責任や費用負担を判断できない場合は、自治体や専門家へ相談してください。

参考資料

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