解体業に関わる営業職が、解体工事のリアル、現場仕事の判断、ゴルフや日常の暮らしを実体験で綴るブログ。

ブロック塀の解体・撤去費用はいくら?相場・内訳・補助金を解説

ブロック塀の解体・撤去費用はいくら?相場・内訳・補助金を解説

ブロック塀の解体・撤去費用は、民間事業者の公開価格を集計した参考帯として、1㎡あたりおおむね5,000円~1万1,500円程度が挙げられます。小規模な単体工事でも、総額は十数万円~数十万円になる場合があります。

ただし、公的な全国統一価格ではありません。公開価格は、調査時点や地域、消費税、基礎撤去、運搬・処分などを含む範囲が各社で異なります。最終的には、同じ条件で現地見積もりを取り比較してください。

ブロック塀撤去補助金の相談から着工までの手順
補助金を利用する場合は、見積もり後でも契約・着工前に自治体へ確認します。
ブロック塀撤去費用の主な内訳と重機・手壊しの違いを示す図
見積書は「撤去一式」ではなく、本体・基礎・運搬・処分などの項目別に確認します。
ブロック塀の面積計算と上部撤去・基礎撤去の範囲を示す図
概算では長さ×高さで面積を求めますが、基礎まで撤去するかで費用は変わります。

先に確認したいポイントは次の3つです。

  • 長さ×高さだけでなく、基礎撤去まで含めて見積もる
  • 本体解体、運搬、処分などの内訳を分けて比較する
  • 補助金は契約・着工前に自治体へ相談する
目次[閉じる]

ブロック塀の解体・撤去費用の相場

一般的なブロック塀の撤去費は、民間事業者の公開価格では5,000円~1万1,500円程度/㎡が一つの参考帯です。

ただし、基礎撤去・処分・運搬・諸経費・消費税の扱いは各社で異なります。㎡単価だけで総額を判断せず、同一条件の現地見積もりで比較してください。

条件 費用への主な影響
ブロック上部だけを撤去 基礎撤去がなければ工程を抑えやすい
基礎まで全撤去 掘削・破砕・残土処理が加わる
重機を使用できる 作業効率は上がるが回送費がかかる場合がある
重機が入れない 手壊し・小運搬で人件費が増えやすい
鉄筋や控え壁が多い 切断・分別・処分量が増えやすい
擁壁と一体 構造確認や個別の施工計画が必要

面積から概算する方法

塀の面積は次の式で求めます。

長さ(m)×高さ(m)=面積(㎡)

長さ10m、高さ1.2mなら、面積は12㎡です。

費用の概算は、次の項目を合算します。

塀本体の撤去費+基礎撤去費+積込・運搬費+廃材処分費+養生・諸経費

同じ12㎡でも、基礎を残す場合と全撤去する場合では総額が異なります。車両を塀の横へ付けられず、廃材を人力で運ぶ場合も割高になりやすいため注意しましょう。

実務ポイント1
現地調査を依頼する前に、塀の長さ・高さ・厚さを測り、道路側と敷地側の写真を撮っておくと、見積条件をそろえやすくなります。

ブロック塀撤去費用の内訳

見積書では、少なくとも次の項目を分けて確認します。

費目 主な内容 確認すること
本体解体費 ブロック、鉄筋、控え壁の撤去 面積、厚さ、施工方法
基礎撤去費 地中基礎の掘削・破砕 撤去する深さと範囲
積込・運搬費 がれきの積込みと車両運搬 車両の大きさ、運搬回数
廃材処分費 コンクリートがらや金属の処理 数量・単価・処分対象
仮設・養生費 飛散防止、散水、保護 隣家や通行人への対策
重機・小運搬費 重機回送、人力による場内運搬 搬入経路と使用機械
諸経費 現場管理、書類、保険など 他項目と重複していないか
整地・復旧費 埋め戻し、舗装補修など 完了後の仕上がり

「ブロック塀撤去一式」とだけ書かれている場合は、基礎、運搬、処分を含むか質問してください。

見積書全体の確認方法は、解体工事の見積書の見方で解説しています。

費用が高くなりやすい条件

基礎まで撤去する

基礎を撤去する場合は、地面を掘り、コンクリートを破砕して搬出します。地中の基礎が想定より深い、または大きい場合には、追加工事が必要になることもあります。

フェンス新設や駐車場拡張を予定している場合は、新しい基礎と干渉しない範囲まで撤去する必要があります。用途をあらかじめ業者へ伝えましょう。

重機が入らず手壊しになる

次のような現場では、手壊しや小運搬が増えやすくなります。

  • 門や通路が狭い
  • 隣家との間隔が小さい
  • 車両を横付けできない
  • 階段や高低差がある
  • 前面道路が狭い

前面道路の状況によっては、交通誘導や道路使用への対応が必要になる場合もあります。

鉄筋入り・厚い塀・控え壁付き

鉄筋入りの塀は、コンクリート部分を壊すだけでなく、内部の鉄筋を切断・分別します。厚みや控え壁が増えるほど廃材量も増えるため、見た目の面積だけでは費用を比較できません。

擁壁や土留めと一体になっている

土を支えている擁壁一体型の塀は、一般的なブロック塀と同じ方法で撤去できるとは限りません。無計画に壊すと、地盤や隣地へ影響するおそれがあります。

擁壁の上にブロックが積まれている場合も、撤去対象が「上部ブロックだけ」なのか「擁壁を含む」のか明記してください。必要に応じて構造に詳しい専門家へ確認します。

実務ポイント2
相見積もりでは「基礎をどこまで撤去するか」「重機か手壊しか」「廃材処分を含むか」を同じ条件にします。条件が違う総額を比べても、割安かどうか判断できません。

追加費用が発生しやすいケース

追加費用の候補には、次のものがあります。

  • 想定より深い、または大きな基礎
  • 地中から見つかった古いコンクリート
  • 手壊しや小運搬への変更
  • 交通誘導員や追加養生
  • 隣接する舗装・門柱などの補修
  • 見積もりに含まれていなかった残置物
  • 石綿含有が判明した仕上げ材などの調査・対策

追加請求を受けた場合は、当初の契約範囲、工事前の説明・承認、写真、数量、単価を確認します。詳しくは解体工事の追加費用はなぜ発生する?をご覧ください。

解体後のフェンス新設費用

ブロック塀を撤去した後にフェンスを設置する場合、撤去費とは分けて見積もります。

新設費を左右する主な条件は次のとおりです。

  • フェンスの材質と高さ
  • 支柱の本数
  • 独立基礎かブロック基礎か
  • 目隠し性能や耐風仕様
  • 地面の掘削条件
  • 既存基礎を利用できるか
  • 門扉や舗装復旧の有無

撤去業者とフェンス施工業者が別の場合は、「どこまで整地して引き渡すか」を双方に確認してください。基礎を残したものの再利用できず、後から再撤去になるケースを防げます。

危険なブロック塀に利用できる補助金

自治体によっては、道路に面した危険なブロック塀の撤去費や、撤去後の軽量フェンス設置費を補助しています。

ただし、対象や金額は自治体・年度・予算・要綱によって異なります。主な審査条件は次のとおりです。

  • 道路や通学路に面しているか
  • 塀の高さや長さ
  • ひび割れ、傾きなどの危険性
  • 所有者や敷地の要件
  • 対象工事と施工業者の条件
  • 申請期限と年度予算

自治体サイトで「市区町村名 危険ブロック塀 撤去 補助金」と検索し、建築・防災担当窓口へ確認しましょう。国土交通省のブロック塀対策ページから、地方公共団体の支援制度も確認できます。

制度によって異なりますが、交付決定前の契約または着工を対象外とする自治体が多くあります。一般的には次の順序で進めます。

  1. 見積もりを取る
  2. 自治体へ事前相談する
  3. 必要書類を提出する
  4. 交付決定を待つ
  5. 契約・着工する
  6. 完了報告を提出する

実務ポイント3
見積もりを取った後も、契約書へ署名したり着工したりする前に自治体へ確認してください。現地確認や工事前写真が必要な制度もあります。

法定手続きも契約前に確認する

建設リサイクル法の届出

建設リサイクル法では、特定建設資材を用いた建築物以外の工作物の解体・新築等で、請負金額が税込500万円以上の場合、原則として工事着手の7日前までに届出が必要です。

ブロック塀の単独撤去でも、契約金額や工事内容によって対象となる可能性があります。対象工事の区分や届出先は、施工業者と自治体へ確認してください。

実務ポイント4
見積書に「届出費」「書類作成費」がある場合は、何の手続きに対する費用かを確認します。法定届出の対象外でも、道路使用など別の手続きが必要になる場合があります。

見積もりで確認すべきチェックリスト

相見積もりでは、次の項目をそろえて比較します。

  • 撤去する塀の長さ・高さ・厚さ
  • 上部のみか、基礎まで撤去するか
  • 基礎の想定寸法と撤去深さ
  • 控え壁や門柱を含むか
  • 重機、手壊し、小運搬の区分
  • 積込み・運搬・処分費を含むか
  • 養生、散水、交通誘導の有無
  • 整地・舗装復旧後の仕上がり
  • 石綿事前調査を誰が行うか
  • 必要な法定手続きと費用負担
  • 追加費用が発生する条件
  • 追加工事の事前承認方法
  • フェンス新設費が別見積もりか
  • 消費税を含む総額か

極端に安い見積もりは、基礎撤去や廃材処分、必要な事前調査が除外されていないか確認してください。解体工事を適正に請け負える許可・登録や、廃材の処理体制も業者へ尋ねましょう。

倒壊の危険がある場合は自分で壊さない

ブロック塀に次の状態がある場合は、DIYで撤去せず専門業者や自治体へ相談してください。

  • 大きく傾いている
  • ひび割れや欠損がある
  • ぐらついている
  • 鉄筋が露出・腐食している
  • 地震や衝突後に変形した
  • 高さ1.2mを超える補強コンクリートブロック塀で、控え壁の有無や配置に問題が疑われる

国土交通省は、高さ、厚さ、控え壁、基礎、鉄筋、ひび割れ・傾きなどの点検項目を示しています。高さ1.2mを超える補強コンクリートブロック塀では、控え壁の有無や配置も確認項目です。判断できない場合は、専門家へ確認を依頼しましょう。

倒壊のおそれがあるときは、人や車を近づけず、可能な範囲で周囲へ注意喚起してください。ただし、危険な塀へ自分でシートやロープを掛ける行為は避けます。

ブロック塀工事でも石綿の事前調査を確認する

解体・改修工事では、元請業者等が工事規模にかかわらず、対象部分の全材料について、着工前に石綿含有の有無を事前調査することが原則必要です。

ブロック本体だけで判断せず、次の材料も確認対象になり得ます。

  • 表面の塗材や仕上げ材
  • 付属する成形板
  • 接着材や下地材
  • 塀と一体で撤去する工作物の材料

また、2026年1月1日以降に着工する工作物工事では、対象に応じた資格者による事前調査が必要です。ブロック塀がどの工作物区分に該当するかを含め、元請業者または所管行政庁へ確認してください。

事前調査と行政への報告は別制度

事前調査そのものと、調査結果の電子報告は別の制度です。

主な報告基準には、次のものがあります。

  • 建築物の解体:解体部分の床面積が80㎡以上
  • 建築物の改修:請負金額が税込100万円以上
  • 特定の工作物の解体・改修:請負金額が税込100万円以上

単なるブロック塀が報告対象となる「特定の工作物」に該当するかは、工事対象や工作物区分によって判断が必要です。元請業者または所管自治体へ確認しましょう。

制度や調査方法の詳細は、アスベスト含有建物の解体ガイドで解説しています。

実務ポイント5
見積もり時に「石綿事前調査の実施者」「調査対象の材料」「分析が必要な場合の費用」「行政報告の要否」を書面で確認してください。

まとめ

ブロック塀の撤去費は、民間事業者の公開価格では1㎡あたり5,000円~1万1,500円程度が参考になりますが、全国一律ではありません。基礎、鉄筋、搬入経路、手壊し、運搬・処分条件によって総額が変わります。

見積もりは、本体解体、基礎撤去、積込・運搬、廃材処分、養生・諸経費に分けて比較しましょう。補助金は契約・着工前に自治体へ相談し、石綿事前調査や建設リサイクル法などの手続きも施工業者へ確認することが重要です。

この記事をシェアする

記事一覧へ戻る

関連記事 Relation Entry