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解体工事の廃材処分とは?種類・費用が決まる要素・適正処理の確認ポイント

解体工事の廃材処分とは?種類・費用が決まる要素・適正処理の確認ポイント

解体工事の廃材処分では、木くずやコンクリートがらなどを分別し、許可業者による運搬・処理を経て、再資源化または最終処分します。

施主が先に確認したいポイントは次の3つです。

  • 廃材の種類・数量と、運搬・処分費の内訳
  • 処理業者の許可、処理委託契約、マニフェストの管理体制
  • 残置物や有害物質、地中埋設物が見つかった場合の追加条件

処分費は廃材の種類や量、分別状態、運搬距離、処分先などで変わるため、全国一律ではありません。金額だけでなく、適正な処理ルートまで確認しましょう。

解体廃材と残置物を、建物から発生する材料と室内に残された家具・家電として比較した図
解体廃材と残置物は、処理区分や委託先が異なる場合があるため、見積書で分けて確認します。

解体工事で出る廃材とは|残置物との違い

解体廃材とは、建物や基礎、内装、外構などの撤去によって発生する物です。工事由来の廃材は、原則として産業廃棄物として扱われます。

一方、着工前から建物内にあった家具・家電・生活用品などは残置物です。解体廃材とは処理区分や委託先が異なる場合があります。

区分 主な例 見積もりの注意点
解体廃材 木材、コンクリート片、瓦、配管、内装材 分別・積込み・運搬・処分の範囲を確認
残置物 家具、家電、衣類、食器、日用品 解体費に含まれるとは限らない

実務ポイント1:見積書では「解体廃材」と「残置物」を分け、どこまで業者が撤去するか書面に残してください。

残置物の品目別の処分方法は、解体工事の残置物はどうする?で解説しています。

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「廃材」と「産業廃棄物」の違い

「廃材」は、工事で不要になった材料を指す一般的な呼び方です。法令上の分類名ではなく、発生経緯や性状に応じて木くず、がれき類、金属くずなどの産業廃棄物に分類されます。

金属などが有価物として売却できる場合もありますが、買い取りの可否や見積もりへの反映方法は業者ごとに異なります。契約前に確認しましょう。

解体廃材の主な種類と処理上の注意

種類 具体例 主な注意点
木くず 柱、梁、建具、内装材 他品目と分別すると再資源化しやすい
がれき類 コンクリート片、れんが、アスファルト片 木材やプラスチックとの混在を避ける
金属くず 鉄骨、鉄筋、配管、アルミ建具 有価物として扱う場合の計上方法を確認
廃プラスチック類 樹脂製建材、塩ビ管、断熱材 混合状態や付着物により処理方法が変わる
ガラス・陶磁器くず等 窓ガラス、瓦、衛生陶器 割れや飛散に配慮して分別する
廃石膏ボード 壁・天井の石膏ボード 他材と分け、受入可能な処理先を確認する

石膏ボードは法令上「ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず」に分類されますが、安定型最終処分場へそのまま搬入できる品目ではありません。ほかの廃材に混ぜず、適切な処分先を確保する必要があります。

廃材が処分されるまでの流れ

  1. 現場で分別する
    木材、コンクリート、金属、プラスチックなどに分けます。
  2. 収集・運搬する
    必要な許可を持つ業者が処理施設へ運びます。
  3. 中間処理・再資源化する
    破砕、選別などを行い、再生砕石や木質チップ、金属原料などとして利用します。
  4. 最終処分する
    再利用できない物を、性状に適した最終処分場で処分します。

建設工事で生じる産業廃棄物は、原則として元請業者が排出事業者となり、適切な委託先の選定や処理完了の確認などの責任を負います。

ただし、元請業者が工事の総合的な企画・調整・指導を行っていないと認められる場合には、下請業者が排出事業者となることがあります。個別の責任関係は、工事の契約内容や実態に応じて確認が必要です。

建設リサイクル法の対象工事

建築物の解体では、床面積の合計が80㎡以上の場合、建設リサイクル法に基づく届出の対象となるのが原則です。発注者または自主施工者は、原則として着工7日前までに届出を行います。

同法で分別解体・再資源化等の対象となる特定建設資材は、次の4種類です。

  • コンクリート
  • コンクリート及び鉄から成る建設資材
  • 木材
  • アスファルト・コンクリート

ただし、自治体の条例や提出方法なども確認が必要です。また、80㎡はアスベスト事前調査の要否を分ける基準ではありません。

制度の詳細は解体工事と建設リサイクル法を確認してください。

廃材の種類や量、混合状態、運搬距離、道路や搬出条件が処分費に影響する様子
処分費は廃材の種類・量、分別状態、運搬距離、搬出条件などで変わります。

廃材処分費が決まる要素

処分費に影響する主な要素は次のとおりです。

  • 廃材の種類と発生量
  • 分別状態と混合廃棄物の量
  • 処理施設までの距離
  • 処分先の受入条件
  • 車両の台数や運搬回数
  • 重機やトラックの進入条件
  • 人力による小運搬の有無
  • アスベストやPCBなどの有害物質
  • 基礎・外構・地中埋設物の撤去範囲

分別しにくい混合状態では、選別作業や処理にかかる負担が増える場合があります。狭い道路や旗竿地など、搬出条件が悪い現場も費用に影響します。

具体的な金額は現場条件や地域、処分先によって異なるため、同じ条件で複数社の現地見積もりを比較してください。

解体工事費に含まれる処分費の確認方法

見積書に「廃材処分一式」とだけ記載されている場合は、次の内訳を確認します。

  • 分別・積込み費
  • 場内の小運搬費
  • 処理施設までの運搬費
  • 廃材の処分費
  • 木くず・がれき類・混合廃棄物などの数量
  • 基礎・外構・残置物を含むか
  • 有価物の扱い
  • 消費税や諸経費の範囲

実務ポイント2:「何が含まれるか」だけでなく、数量を超えた場合の単価や精算方法も質問しましょう。重量・体積・車両台数のどれで計算するかも確認すると比較しやすくなります。

見積書全体の確認方法は、解体工事の見積書の見方も参考にしてください。

追加費用が発生しやすいケース

  • 見積もり後に残置物が増えた
  • 地中から基礎、浄化槽、廃材などが見つかった
  • 想定より廃材量が多かった
  • 分別できない混合廃棄物が多かった
  • アスベスト含有建材やPCB使用機器が判明した
  • 搬出経路や処分先が変更された

追加請求の妥当性は、契約範囲、現地条件、事前説明、施主の承認手続きによって異なります。

実務ポイント3:追加作業は、着手前に「発見箇所の写真・数量・金額の根拠・工期への影響」を提示してもらい、書面で承認する手順を決めておきましょう。

詳しくは解体工事で追加費用が発生するケースをご覧ください。

解体業者から収集運搬業者と処分業者へ廃材が委託され、契約書・許可・マニフェストで確認する関係図
処理委託契約、業者の許可内容、マニフェストが実際の処理ルートと一致しているか確認します。

適正処理を確認する3つの書類・情報

1.処理委託契約書

元請業者が外部へ処理を委託する場合は、収集運搬業者・処分業者との契約関係を確認します。廃棄物の種類、数量、処理方法、委託先などが実態と合っていることが重要です。

2.業者の許可内容

収集運搬業者・処分業者について、次の点を確認します。

  • 許可の有効期限
  • 扱える廃棄物の種類
  • 収集運搬または処分の範囲
  • 積替え保管の有無
  • 運搬先や処分施設
  • 処分方法

解体業者自身が産業廃棄物処理業の許可を持っていなくても、許可業者へ適切に委託していれば、直ちに問題とは限りません。

3.マニフェスト

マニフェストは、産業廃棄物が委託内容どおりに運搬・処分されたことを追跡する管理票です。

マニフェストの交付・保存と処理終了の確認は排出事業者の責任であり、建設工事では通常、元請業者が担います。施主が通常その交付・保存を担うわけではありませんが、元請業者に次の内容を確認できます。

  • 紙または電子マニフェストの運用方法
  • 収集運搬業者と処分業者の名称
  • 処理施設・処分先
  • 完了後の処理結果を確認できるか

マニフェストだけでなく、委託契約書と許可内容が一致していることも重要です。詳細は解体工事のマニフェストとは?で解説しています。

不法投棄を避けるための業者選び

処分費が極端に安い見積もりは、処理範囲が不足していないか確認が必要です。次の項目をチェックしてください。

  • 解体工事業登録または必要な建設業許可がある
  • 見積書に運搬・処分の範囲が書かれている
  • 廃材の分別方法を説明できる
  • 収集運搬業者・処分業者・処分先を説明できる
  • マニフェストの管理方法が明確
  • 追加費用の条件と承認手順が書かれている
  • 契約を急がせず、質問に書面で回答する

処理先を尋ねても回答を避ける、契約書を作らない、処分費の根拠を示さない業者には注意しましょう。不適正処理が疑われる場合の対応は、解体業者のトラブル事例と対処法も参考にしてください。

アスベスト・PCBが疑われる場合

アスベスト

解体・改修工事では、工事規模にかかわらず原則として事前調査が必要です。事前調査の要否と、調査結果を行政へ報告する基準は別です。

調査結果の報告が必要となる主な基準は次のとおりです。

  • 建築物の解体:解体部分の床面積の合計が80㎡以上
  • 建築物の改修:請負金額が100万円以上
  • 一定の工作物の解体・改修:請負金額が100万円以上

金額は消費税を含む請負代金で判断するなど、制度上の算定条件があります。対象の判断に迷う場合は、管轄行政または調査者へ確認してください。

含有が確認された場合は、建材の状態や区分に応じて除去・梱包・運搬・処分方法が変わります。通常の廃材と混ぜてはいけません。

詳しくは解体工事のアスベスト調査・除去をご覧ください。

PCB

古い変圧器、コンデンサー、照明器具の安定器などには、PCBが使用されている可能性があります。疑わしい機器は通常の金属くずなどと混ぜず、銘板や製造時期を確認してください。

高濃度PCB廃棄物については、JESCOの新規登録受付が2025年10月15日に終了しています。2026年時点で新たに高濃度PCB廃棄物を発見した場合は、自己判断で分解・搬出・処分せず、速やかに管轄自治体へ保管状況を報告し、対応を確認してください。

低濃度PCB廃棄物を含め、処理方法や期限は区分によって異なります。PCB使用・含有の可能性が判明した場合は、管轄自治体や専門事業者へ相談しましょう。

施主が自分で廃材を処分する場合の注意点

施主が処分できる物でも、まず解体業者との契約範囲を明確にします。着工後に現場から勝手に持ち出すと、安全管理やマニフェスト上の数量に影響するおそれがあります。

特に次の点に注意してください。

  • 自治体の分別・自己搬入ルールを確認する
  • 解体工事由来の産業廃棄物を家庭ごみとして出さない
  • 施設が受け入れる品目・量・車両条件を事前に確認する
  • アスベストやPCBの疑いがある物を自己判断で扱わない
  • 家電リサイクル法など、品目別の制度に従う
  • 施主処分する対象を見積書と契約書から除外する

自治体の施設でも、事業活動や解体工事から発生した廃棄物を受け入れていない場合があります。搬入前に、発生場所・発生経緯・品目を伝えて確認しましょう。

まとめ

解体廃材は、現場で分別し、許可業者による収集運搬、中間処理、再資源化または最終処分へ進みます。

施主は次の点を契約前に確認してください。

  • 残置物と解体廃材が分けて見積もられているか
  • 分別・積込み・運搬・処分の内訳が明確か
  • 委託契約、許可、マニフェストによる確認体制があるか
  • 追加費用の条件と事前承認の手順が決まっているか
  • アスベストやPCBの調査・処理が考慮されているか

処分費の安さだけで選ばず、廃材の行き先まで説明できる業者を選ぶことが、不法投棄や追加請求を防ぐポイントです。

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